私がアル中妻になるまでの経緯5
私は20代をほぼアルコール漬けの生活で費やしてしまった。
夜の仕事に慣れると、毎日の様に二日酔いからの同伴出勤、また朝まで飲み(風営法がまだ今ほど厳しくなく、朝まで営業しているキャバクラが多かった)、店が終わってアフター。
アフターがない日はキャバの同僚と居酒屋やバーへ飲みに行ったり、ホストクラブへ行ったり。
基本、夜の仕事の女たちはストレスを溜めているので、はけ口を探している。
酒の勢いや金銭感覚のズレもあって、稼いだ金はだいたいあっという間に酒に消える。
ホストクラブは、バカ高い上に最初は面白半分でもだんだんと精神的に辛くなっていく。
なぜなら、金銭的に続かなくなると、ホストからいい仕事紹介するよ〜なんて、風俗などの仕事を斡旋されるのが常とう手段。
マニュアルのように、たいていはそこから風俗やAVなどへ流れていく。
私のように 払える範囲で細々と遊ぶのもアリだが、だいたいそれだと対応が雑になるので 客としてこちらもつまらなくなっていく。
キャバクラなどで働いていると男を見る目が養われそうな気がするが、むしろ逆だと思う。
不思議と、男を見る目がだんだんおかしくなっていく。
なぜならキャバクラの客は、金はあるけど容姿や性格など様々な理由で一般的にモテない男や、金を持ってるけどかなりの年上、つまりおっさんが来る。
そんな客と毎日ベタベタしながら飲むことに慣れてしまっているので、いわゆる一般的に普通の容姿の男でも、カッコよく見えてくる。笑
さらに同じ夜の仕事をしている、という共通の話題の話をできる異性がホストクラブにしかいないので、
ボーイズバーやホストクラブで愚痴を聞いてもらったりする。そのホストが、一般的に普通の容姿であっても、当然カッコよく見えてくる。笑
夜の仕事でない男に、夜の仕事のぶっちゃけた話はしづらい。女同士は基本的にライバルだから、ある程度のところで言えること言えないことがある。
夜の仕事をする人は、
よほどキチンとした理由と目標があって働いてる人でないと自己コントロールは難しいと思う。
特に私のように、酒がタダで飲みたくて!という理由だと アルコール依存を一気に進行させる。
私はその頃は、若さもあってチヤホヤされ、好きな酒をお金をもらって飲めるなんて最高の仕事だ!くらいに思っていた。今思えば、浅はかすぎる考え。
もちろん、心のどこかで、
このままじゃいけない。
キチンとした将来設計を立たなければ。
という気持ちもあった。
でも毎日の酒浸りの生活で、そんな事は後回しになって深みにどんどんハマっていく。
そんなある日、私にとって転機が訪れた。
いつものように二日酔い、昼ごろダルい体をなんとか起こして見た、自分の姿がビックリするほど醜かった。
鏡を見たら、血色の悪い青ざめた顔。
息が酒臭い上に、歯もきちんと磨いてないのでどことなく黄ばんで虫歯ぽい痛みもある。
お腹はいつのまにか酒太りでだらし無いたるみがすごい。
肌も吹き出物や、クマやくすみで年の割に老けた。
一番こたえたのは、
髪が軽く引っ張るだけでパラパラ抜けていく。
よく見たら分け目がうっすらハゲている。弾力もツヤもなく、全体の量もだいぶ減っている。
サーっと顔が青ざめた。
あたし、こんな汚かったっけ!??
醜かったっけ??
そして更にそれを隠すため、
肌に悪いと分かりつつも、厚塗りのメイクと
髪型で薄毛をカバーするヘアセット。
ボリュームが欲しくてコテで巻きすぎて更に髪が傷んで行く…悪循環。
さらに進行する肌荒れと薄毛進行。
今でこそ、女性の薄毛が話題になってるけど
その頃は薄毛イコール男の悩みって印象があった。
だから、まさか自分がそんな悩みを抱えるなんて思いもしなかった。
無理もない。
ろくに自炊もせず、外食ばかり。
毎日毎日、酒ばかり飲んでしょっちゅう吐いたりもするから喉もガラガラで常に胃が痛い。
昼夜逆転の生活。
睡眠時間も不規則な上、足りてない。
栄養バランスもへったくれもない。
年を取っても、外見が美しい人というのは、忙しくてもある程度ちゃんとした栄養バランスや生活リズム、体のことを考えた食生活をしているものだ。
この頃から私は唯一のとりえ?であった見た目の若さやスタイルの良さなどでチヤホヤされるということにも自信を失っていき、
自分は、普通の結婚や幸せは今後一切無理だろうなと考えるようになっていった。
稼いでも使ってしまうのでお金も貯まらず、体はボロボロになっていき
次第に私の心もむしばんでいった。
自分のお客さんはたくさんいたし、店でもなかなかの人気者であったと思うが私はこのままではいけない。と、やっと思うようになった。
その後、夜の仕事からは足を洗い 普通の企業OLとなることが出来た。
ただ、そこから何年かは、自分に自信がなくなり
心から笑うことを忘れていた。
普通にきちんと男性とお付き合い出来る日までは、何年かかかった。
ただそんな私にも 普通に社内恋愛という形で 出会いが訪れた。
その話のつづきは、また今度(^^)!